Book.災難を近づけない技がある「『<人生の災害>に負けないマインドレスキュー』」

「人生の災害に負けないマインドレスキュー」
(矢作直樹著、山と渓谷社)

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 病気やけが、肉親や親しい人の死、離婚、過労、リストラ、失業・・・そして災害。私たちは毎日の生活をおくりながら、数々の試練にさらされます。なかでも最近、特に増えているのが災害です。地震、津波、火山噴火、台風や大雨による洪水、土砂災害など、日本は自然災害が発生しやすい国です。
 「『<人生の災害>に負けないマインドレスキュー』」(矢作直樹著、山と渓谷社)では、マインドレスキュー(心の救済)をテーマに、元救急・集中治療、内科医の矢作直樹先生が、東日本大震災をはじめとするさまざまな事例から、自然災害はもとより、突如に襲ってくる「人生の災害」を乗り切るために必要な考え方、心構え、災難を近づけない技などについてまとめています。
 矢作先生は元東京大学大学院 新領域創成科学研究科環境学専攻および工学部精密機械工学科教授で、2001年から16年まで同学院医学部付属病院で救急部・集中治療部部長として東大病院の総合救急医療体制の確立に尽力。現在は東京大学名誉教授

 


  マインドレスキューを考えるなかで忘れられないのが、東日本大震災だといいます。それは数多くの人が一気に亡くなったことで起こった霊的な現象であり、この先、何十年にもわたり影響を及ぼし続ける放射能の問題、家をなくし家族や知人をなくした人々の今後の生き方や心の持ちようなど多くの問題は、被災された方々だけでなく、私たちに共通した問題でもあります。
 東日本大震災では震災後に被災地では数多くの怪奇現象の体験談や、目撃談が聞かれました。「霊性の心理学」(金菱清著 新曜社)は、被災地の生と死につて現場の状況をレポートしたノンフィクションですが、この本には多くの幽霊の話が登場します。
 これらは亡くなった人たちの魂が、われわれとともに今も生き続けていることの証拠でもあり、死後の世界の捉え方が変化する契機にもなります。人は死んだらどうなるのか、死に関しては不安に感じることはない、肉体は死んでも、人は死なないと書いています。困難にも挫けずに、前に進める一冊です。
 

何事にも動じない心

生きて社会に参加している以上は、いろいろな死に方があるのは当然だと矢作先生は喝破します。天災、事故、事件など、どんなきっかけであれ、生きている以上は、死ぬのは仕方ないと思わないと救われません。死を免れ生き残った人は、過去のことをくよくよしたり、悩んではいけません。いまを全力で生きることが大切です。そのためには何事にも動じない心を持つことが大切だといいます。
 
 その点では武士としての心構えは、何が起きても慌てない生き方の道標と言えます。神道では森羅万象に神が宿ると考えられていました。仏教などでも人間だけでなく、山川草木や生類にはすべて仏性があると考えられてきました。神道や仏教、武士道の考え方を持った人は明治維新前に多かったですが、これらの精神を参考にしながら、全力で生きることが大事だと説いています。
 また、天災も交通事故や殺傷事件のような人災も、すべてが因果の中で起こっていると理解して、すべての人が現世とあの世でいろいろな役割を分担している中で、今回はそういう役回りになったのだと思うことも必要です。大切なのは「中今(なかいま)」、失敗したことを後悔したりせず、つらい思いを引きずることなく、過去にとらわれずに、たった今を生きることだと書いています。
 

私たちの身体は借り物

Comment ブログ筆者
 ブログ筆者が矢作先生のことを知ったのは8年前に発売された「人は死なない~ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索」(バジリコ)でした。救急・集中治療、外科、内科などで多くの患者の診察をてがけてきた矢作先生が、自分自身の医者としての想いや、仕事を通じて患者から聞いた非日常的な現象や霊性について考察した著作です。
 
 それまでの経験から、いわゆる自分を超えた存在については関心がありましたので、タイトルを見てすぐに購入し一気に読了しました。この本では患者さんが先生に語った臨死体験や体外離脱体験も書かれ、人が肉体だけの存在ではないことを述べています。
 
 既に幽体離脱や臨死体験についてはアメリカの精神科医であるエリザベス・キューブラロスやジャーナリストの立花隆さん、坂本政道さんなどが著書で発表していましたので珍しい話ではありませんでしたが、現役(「人は死なない」発表当時)の日本人医師による著書を読むのは初めてでしたので感動しました。
 
 また、「自分を休ませる練習~しなやかに生きるためのマインドフルネス~」(文響社)では以下のようにも著しています。
 「からだは借り物です。私たちは混沌とした世界を生きる上で、からだを一時的にお借りしています。どこから?もちろん、天から。創造主からと考えてもよいでしょう。まずはこの事実に気づくこと。気づけばこの先、もっとからだを大事に扱えます」。
 どうでしょうか。このような発想、少し楽になりませんか。

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