Book.「人とマシン、リアルとネットが融合し、やりたいことを実現する『サイーボーグ時代』」

「サイボーグ時代」
(吉藤オリィ著 きずな出版)

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 「サイボーグ時代~リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略~」(吉藤オリィ著、きずな出版)は、「OriHime(オリヒメ)」という片手で持てる遠隔操作型ロボットを開発した吉藤オリィ(健太朗)さんが、「OriHime」についてと、人生を生きていく上で何が重要になるか「人生戦略」を書いています。
 株式会社オリィ研究所代表の吉藤さんが開発したOriHimeは、スマートフォンやパソコンで操作できます。例えば、病院や自宅から出られない人がこのロボットを操作することで、マイクやスピーカーで、ほかの人と会話することもできたり、通学や出社が可能になるのです。
 
 吉藤さんの親友、故・番田雄太さんは4歳の時に交通事故で脊髄を損傷し、その後は20年間、岩手県盛岡市内の病院で寝たきりの生活を送っていました。しかし、吉藤さんの活動を知った番田さんが吉藤さんにメールを送ったことがきっかけで二人は出会いました。
 吉藤さんは番田さんに自分の会社に入社することをすすめ、番田さんは広報担当として仕事を始めたのです。吉藤さんのスケジュール管理からメディア対応までスケジュール管理をこなし、一緒に全国を講演しました。入社して3年後に番田さんは他界しましたが、3年間、とても濃密で自分の希望することができたのです。

 
 

また、榊(さかき)浩行さんは全身の筋肉の自由がきかなくなるALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患い、眼球以外はほとんど動かせません。しかし、藤吉さんが作った「OriHime eye」というツールを使ってパソコンで絵を描いています。それまではテレビを見て毎日を過ごしていましたが、SNSで自分の描いた絵を発表するようになりました。
 現在、藤吉さんは大型の「OriHime-D」を開発、寝たきりの人と散歩に出かけたり、コーヒーを運んだりするロボットを開発し活動しています。大型の「OriHime-D」は、寝たきりの人が自分で介護できるようにするのが目標だといいます。

人間の孤独を解消する

吉藤オリィさんの「オリィ」もロボットの「OriHime(オリヒメ、以下OriHime)」も、藤吉さんの趣味である折紙作りから由来しています。今も人に会った時などはポケットにしまい込んである紙で折り紙のバラを作り渡したりしているそうです。

吉藤さんは幼い頃について引きこもりになり、当時、強烈な孤独感を感じました。その孤独感の解消をヒントに開発されたのがOriHimeです。
「人間の孤独を解消することをミッション」としている藤吉さんは、このロボットを開発し、株式会社オリィ研究所を設立、現在は12人の社員とともに、代表として会社を運営しています。2016年には功績が認められ米国の経済誌「Forbes」の「アジアを代表する青年30名」にも選ばれました。

なぜ、このようなロボットを開発し続けるのか。吉藤さんは以下に述べています。「人は高齢化や病気、ケガなどで、いままで『できた』ことができなくなっていくとき、絶望に近い悲しみや将来への不安を覚える。しかし、『できない』と思っていたことが『できる』に変わった瞬間、将来に対して希望を持てることができる」

誰もが発明家になりうる

Comment(ブログ筆者)

スマホやケータイを見ている人は多いですが、どこでもスマホに釘付けになっているのは、楽しみだけでなく問題や疑問に瞬時に応えてくれるからです。例えばスマホですぐに自分の知りたい情報を検索できるようになったのはAI(人工知能、以下AI)の功績によります。自動車もAIにより自動運転化されるなど、私たちの生活環境は大きく変化しつつあります。

AIではAIロボットをテーマにした映画も多く「A.I.」「アンドリューNDR114」「エクスマキナ」などが公開されてきました。これらの映画では、ますます人間に近くなってきたロボットと人間がいかに、よりよい関係を維持できるかがテーマになっています。

現在もロボットの開発は、より進化し続けています。最近になって身近な生活ではソニーの「aibo」が売れたり、東日本大震災で大きな被害を出した福島原発の処理作業でも産業用ロボットが注目されるなど、一般の人の目に触れる機会も増えています。

吉藤さんは自分の生き方について以下に述べています。

自分の能力や意識を時代に合わせアップデートさせながら、得意なことに専念しやりたいことを実現する。他者の経験や知識を取り入れて自分の能力の一部と化し、できることを増やし「サイボーグ的」に生きることが重要だと思います。

いまは情報があふれ、専門家も見つかりやすいこともメリットで、モノづくりに困った時は、SNSを通じて造形に詳しい人を探してアドバイスを受けることもできることから、自分に必要なものを自分で開発していける、誰もが発明家になりうる時代だと述べています。(今回に紹介する書籍は新刊ではありません。ご了承ください)

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