Book.(漫画)「裸一貫!つづ井さん」. ベストセラー「腐女子のつづ井さん」で新シリーズ

「裸一貫!つづ井さん」
(つづ井著、文藝春秋)

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 アラサーでおひとりさまで、オタク女子のつづ井さんがツィツターで書き続けたコミック・エッセイ「腐女子のつづ井さん」(KADOKAWA)シリーズは現在、3巻まで発売され累計発売部数が35万部のベストセラーとなりました。
 「腐女子」とは「ボーイズラブ」が好きな女性のことで、「腐女子のつづ井さん」さんには、つづ井さんの日常の生活が、絵日記風に読みやすく描かれています。仲間と公園に出かけて遊んだり、誕生会を開いたり、何か特別なことをやっているのではないのですが、とにかく、つづ井さんは「毎日を楽しんで」いるのです。

 


 デビュー作の「腐女子のつづ井さん」は「第20回文化庁メディア芸術祭」漫画部門審査委員会推薦作品にも選ばれました。好評につき2019年5月からは「CREA WEBコミックエッセイルーム」(文藝春秋)で新シリーズ「裸一貫!つづ井さん」(同)の連載がスタート。このほど「Ⅰ」巻が発売されました。
 基本的には「腐女子のつづ井さん」の流れを引き継いでいる作品で、登場人物も作者のつづ井さんと友人たちで構成されています。「休みの日は友人たちと集まってオタクしたり、公園で遊んだり、知育菓子を作ったり、架空の恋人を作ったり・・・、やりたい放題やっています」。
 そんな、つづ井さんも気がつけば20代後半、同級生の結婚や出産のラッシュが続くなかで、「特にな~んとも思っていません」。「年々、いろんなことが気にならなくなっていて、自分でもウケる ただただ毎日生きるのが楽しい~」。
 相変わらず、裸一貫のつづ井さんは、毎日、楽しいことを考え実行していくのです。

 
 

友人も皆、腐女子でオタク


 「裸一貫!つづ井さん」に登場する友人Mも橘も、ゾフ田も、オカザキさんもみんな腐女子でオタクです。「夜遊び」ではある日、お泊り会で深夜に4人は「夜の公園で遊ぶ」ことを考えます。やがてシーソーやブランコで遊びながら、近くに高校生のカップルがいることに気づきます。
 
 「ライフハック」では、つづ井さんが何かを世話したいと思います。そこで「自分の尻」を今まで何も気にしてこなかったことに気づきました。その日からお尻用の石鹸で洗うようになり、保湿も始めました。やがて、毎日、撫でまわしていくうちに、愛おしく感じるようになっていくのです。
 
 そして、「漠然とした寂しさとか、行き場のない庇護欲とかさ、今後そういうものに押しつぶされそうになる場面が来たとしても大丈夫って思った。私はこうやってアイデアと工夫で、乗り越えて生きていけるって自信になった」とオカザキさんに話すのです。
 
 「つくってあそぼ」では、「How to 一人で推し活」として、つづ井さんが「推している人」について、推してくれる架空の人を作ります。「その人の人生をイマジネーションの世界で追体験し、その人物の行動を自分のものにします」「SNSでアカウントを作り、その人物として呟き完了」となります。
 

ツィッターから生まれるヒット作

Commentブログ筆者
 インターネットやスマホの拡大で通信販売での物の売買や支払いなど、さまざまに変化する私たちの生活ですが、音楽や絵、記事や小説、漫画、写真などの創作物でも同じことが言えるようになりました。音楽はパソコンがあれば一人でも作曲しアレンジができ、スマホでは写真を投稿したり、小説や漫画も描き投稿することができます。
 
 従来とは違う形という点では、出版物で話題になったのが、ツイッターへの投稿から拡散し話題となり、商品化されたりするケースです。
 小説では「ボクたちはみんな大人になれなかった」(燃え滓著、新潮社)、そして漫画では今回に紹介した「腐女子のつづ井さん」などが、ツィツターから話題になり書籍化されました。
 今年に入ってからは、累計20万超のリツイートになった「お金持ちになるゲーム」も同タイトルの書籍(小説 昆布山葵著、KADOKAWA)として発売されています。
 
 SNSを通じて誰もが創作したり情報を発信できる時代になって久しいですが、現在もツィッターには多くのユーザーが、自分の行動記録や日記、漫画や創作物、宣伝などを投稿し続けています。生活がスマホ中心に移行し、しかもツィツターは短い文章で完結するから忙しい毎日を送る人には、書きやすく読みやすいSNSの一つです。
 

自分が幸せで生きるのが楽しい

ツイッターで描かれた「腐女子のつづ井さん」も、シンプルで分かりやすい絵日記風のコマ送りです。全部が実際にあった話という点も多くの共感を得ているのではないでしょうか。しかも、「腐女子」という点は少し違うかも知れませんが、普通の一般女性が、自分の生活を楽しくするために、友人たちと工夫しながら楽しみを作っていく。毎日、生きるのが楽しいと思えたことを絵日記として描いていく。
 「自分で自分を幸せにするために、生活を工夫している」ことが多くの読者に支持されている理由だと感じます。

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